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最高の体調
2023-03-12 03:41:15 に編集されました序章
はじめに
色んな人がいる
朝起きれない人
集中が続かない人
怒りや不安がコントロールできずに人生が上手くいかない人
空虚な気持ちのまま暮らしている人
症状や問題の深刻さには個人差がある
それぞれの問題が、あたかも別々の問題のように見え、個別に対応していくが、実は違う
症状の奥にある本当の原因を突き止めない限り、今後も同じ問題は起き続ける
本書は総合的なアプローチをする
★現代人が抱える問題の「共通項」をあぶり出し、柔軟に解決する汎用的なフレームワークを提供するのが最終的なゴール
鬱病、肥満、散漫な集中力、慢性疲労
★一見バラバラに見える問題も、根っこまで下りてみれば実は同じもの
→文明病
この本の目的
あなたの日々の不満や不調を根こそぎ解決し、あなたが生まれ持つ最大のパフォーマンスを引き出すお手伝いをすること
文明病
文明病が心と体を蝕んでいく
進化論
本書で紹介するテクニックとアイデアは、進化論をベースにしている
進化論に基づく人の理解については、今後も大きくは変わらない
著者の実体験
狩猟採集民に近づいた食事法を実施。運動療法、メンタルの改善、
結果として、夕方過ぎまで集中力が持続し、QOLが大きく改善した
我々現代人
酒を飲みすぎ、タバコを吸いすぎ、時間を無駄に過ごし、少ししか笑わず、毎日を急ぎすぎ、怒りすぎ、夜更けまで起きすぎ、目覚めたらもうすでに疲れている
共感する人は多いだろう
★文明がこんなに発達したのに日本人は幸福からほど遠い場所にいる
★朝起きてもどこか体調が悪く、重い足取りで会社に向かい、デスクについてもやる気が起きず、適当な食事で腹を満たしたら、疲れ切って家に帰り眠る
問題点は、多くの人が、そんな自分を責めていること
日ごとに自己を否定する気持ちが強くなり、少しずつ心と体は蝕まれていく
★あなたが抱える問題の大半は、現代人に特有の「文明病」が原因
あなたのせいじゃないよ
上手く動けない自分を責めないで
かつてないレベルのカロリーを摂取している
文明病
近代社会の変化によって引き起こされる、現代に特有の病気や症状を意味する
要は、文明が進化したことで現れた病
典型的な例は「肥満」
肥満が普通になった理由
社会が豊かになったから
食料の大量生産と価格の低下により、現代人はかつてないレベルのカロリーを摂取している
進化医学
進化論をベースにしながら人間の病気の正体を考えていく学問
★人類は少しずつ進化を続け、1~2万年前にようやく石器時代から農耕生活に移動
つまり、少なく見ても、人類は600万年にわたって狩猟採集生活を続けてきた
狩猟採集時代から急激な進化を遂げて、現在われわれが生きている
人類の流れから見ても、原始時代で生活していた時が圧倒的に長いことがわかる
古代の環境
自然の中で獲物を追い、太陽の運行とともに暮らし、少数の仲間と語り合う
★人の脳と体は、そんな環境の中でこそ最高のパフォーマンスを発揮するように進化してきた
古代ではありえない「肥満」という現象
古代の環境
食料の保存もないし、ましては動物を確保できずに空腹の時間が長いときもある
お腹はペコペコだからこそ、カロリーは最も貴重な資源となっていた
★その中で進化した人類は、自然と高カロリーな食事を好むように脳に強烈に刻み込まれている
人類の進化と現代のミスマッチがある
人類に備わった生存システムが現代の豊かな環境ではうまく働かず、古代ではありえなかった「肥満」という現象が現れた
文化だけが進化していき、体は置いてけぼり
★★★数万年の呪縛に対して、ここ最近生まれた我々が少なくとも意志の力だけで「肥満」に立ち向かうのが時間の無駄だということははっきりする
都市部の若者とヒンバ族の集中力の差
民族と現代人の比較
ヒンバ族
狩猟採集をする民族
今も狩猟採集の暮らしを送る伝統的な部族
リンネル博士がチェックしたのは、集中力と認知コントロールの2つ
ヒンバ族の集中力は、ロンドンの若者に比べて約40%も高かった
都市部の集中力の低下の原因
都市に住むものは偏桃体が過敏になる
偏桃体は人の脳に備わった警戒システム
緊張やストレスのせいで神経が過敏になるのは、偏桃体のアラーム機能によるもの
私たちの偏桃体は、しょっちゅう誤作動を起こす
ありえない大量の情報に触れ、テクノロジーにおびえ、夜も輝き続けると杜に戸惑いを覚える
現代人の偏桃体は常にスイッチが温の状態
どうしても集中力は分散する
デジタルデバイスが近くにあるだけで、認知機能は大きく低下する
目の前の作業に使える認知のリソースは減ってしまう
現代人の集中力の低下も立派な文明病の一つ
豊かになればなるほどうつ病が増える
鬱病
★年間で100万人の命を奪う社会問題
日本でもおよそ10人に一人が鬱病
★日中の活力は消え、夜は眠れなくなり、人生の喜びを味わう能力まで消える
現代の矛盾
現代人の環境は大きく向上してきた
なのに、精神を病む人の数は世界レベルで増え続けている
まさに現代の矛盾
民族と現代人の比較
カルリ族
民族
★鬱病に悩む者の数はほぼゼロ
ライフスタイルは200万年前の旧石器時代と同じ
自殺をする人は一人もおらず、「絶望」を意味する言葉すら確認できなかった
現代人
メンタルの健康に関しては、現代人は狩猟採集民よりもかなり遅れを取っている
★近代化された都市に住む者ほど鬱病にかかりやすくなる傾向があった
アメリカ都市部の住人は2倍も心を病みやすかった
★現代人の心のトラブルの多くにも、進化のミスマッチがかかわっている
文明病の正体
★炎症
細胞レベルで火事が起きている
外的影響など、色々なことで体は傷つく
傷ついた部分を修復作業する際に炎症が生じる
炎症=修復作業の反応
解決法
腸を整える
環境を変える、整える
ストレスを軽減する
精神的炎症
不安の問題
解決法
価値
死
遊び
炎症編
炎症が長引くと全身の機能が低下する
例
転んでひざを擦りむいた
怪我の部分から、液体が染み出し、軽い痛みとともに皮膚は赤く腫れあがる
これが炎症
炎症反応
体が何らかのダメージを受けた時に起きる
有害な刺激を取り除こうと免疫システムが起動し、怪我を修復するべく働きだす
進化の過程で人体に備わった防御システム
炎症=修復作業の反応
現代人のパフォーマンス低下は、分かりにくい形で起こる
とろ火でじわじわと全身を煮込むような形で進行する
切り傷ややけどは問題はないが、長期の感染やアレルギーのように炎症が長引くと、一気に話は変わってくる
★内臓脂肪が減らない限り、体は燃え続ける
内臓脂肪
肝臓や腸といった臓器の周りにこびりつく体脂肪のこと
★★★内臓脂肪は、「異物」でしかない
異物だから、ついていると免疫システムと戦う状態に入るから炎症状態に入る
内臓脂肪が減らない限り体はじわじわと燃え続ける
じわじわと燃え続ける
はっきりとした自覚症状はない
風のようにわかりやすい症状ではないので、
なんだか調子が悪い、寝たはずなのに疲れが取れないといったレベルの、謎の体調不良として認識されるケースが多い
狩猟採集民の炎症状態
狩猟採集民
★昔の原始人にも炎症はあった
特徴は、分かりやすい炎症「しか」無かった
発熱、嘔吐、外傷
現代の日本人
★体内で延々とくすぶる長期的な炎症がメイン
★症状は表に出ず、少しずつ不調が進行する
要は、体の中でず―――っとぼやが起きている状態
★文明病=分かりにくい慢性炎症
肥満、不眠、だるさ、鬱、アレルギー系、皮膚炎
などなど、数週間以上も続け症状は、慢性炎症
★なぜ現代人の炎症レベルが高いのか
多すぎる
古代には少なかったものが、現代では豊富すぎる
例
★カロリーが多すぎる
データによると、ここ30年で1日の摂取カロリーは増大を続けている
同時に肥満率も増加を続け、過去にはなかったレベルで糖尿病や高血圧の発症率も上がっている
少なすぎる
古代には豊富だったものが、現代では少なすぎる
例
★睡眠が少なすぎる
現代人の睡眠は量・質ともに悪化を続けている
狩猟採集民の睡眠
圧倒的な睡眠の質の高さ
日暮れから3時間後には必ず眠り、毎朝7時には自然と目を覚ます
夜中に何度も目が覚めてしまうケースは一度も確認されず、一晩で完全に体力を取り戻していた
彼らが使う言葉に「不眠」や「寝不足」のような単語すら存在しなかった
新しすぎる
古代には存在していなかったが、近代になって表れた
例
★トランス脂肪酸
人体への被害が大きい
★トランス脂肪酸は、植物油に水素を付加して作られた「人工の油」
★安価で保管が簡単な性質を持ち、パンや揚げ物などに使われる
ほんの1%のトランス脂肪酸に入れ替えるだけでも、悪玉コレステロールの数値は激増する
★身体に悪い理由は、肝臓の働きを乱すから
★孤独
非常に現代的な現象
孤独感はたばこや肥満と同じぐらい全身に炎症を起こし、早期に死のリスクを高める
全てまとめると
多すぎる
摂取カロリー、精製穀物、アルコール、オメガ6脂肪酸
塩分、乳製品、飽和脂肪酸、満腹感、食事のバリエーション、人口密度、衛生設備、人生の価値観
少なすぎる
有酸素運動、筋肉を使う運動、睡眠、空腹感、ビタミン、ミネラル、食物繊維、タンパク質、オメガ3脂肪酸、自然とのふれあい、太陽光の摂取量
深い対人コミュニケーション、他人への貢献、
新しすぎる
加工食品、トランス脂肪酸、公害、人工照明、デジタルデバイス、インターネット、処方薬、孤独、仕事のプレッシャー、慢性的なストレス
不安編
ぼんやりした不安とはっきりした不安
はっきりした不安
密林の暮らし
猛獣が潜み、毒性の植物、食べ物が手に入らないかもしれない不安
原始的な社会での不安は、シンプルで対処しやすい利点がある
どのように不安を解決するべきかが明確
ぼんやりした不安
現代の不安
会社がブラック
仕事のプレッシャー
仕事の不安
辞めるべきか、別の進路を探すか
現代特有のコミュニケーション
SNSの誹謗中傷
匿名の傘に守られた安心感で必要以上な攻撃的な言葉
心理的ダメージの質と量
★★現代人の脳のパフォーマンスとQOL(人生の質)に多大な影響を及ぼす
慢性的な不安はあなたの記憶力を低下させる
不安を感じる人は、脳の海馬が小さくなる現象が認められた
不安は、あなたから理性的な判断力を奪う
不安はあなたの死期を早める
現代人が不安をこじらせたのはなぜか
不安定な仕事、少ない貯蓄、身体能力の衰退、愛する者の死
心に不安を解決するには、「文明病」の視点に立ちつつ、現代と遺伝のミスマッチを探らねばならない
アフリカ人には未来感覚がない
時間は長い過去と現在とをもつ二次元的な現象
事実上未来を持たない
狩猟採集民の時間間隔は最大でも一日が上限で、あとは同じようなタイムフレームの繰り返しと言える
狩猟採集民は、今現在に神経を集中する。
狩猟採集民は全てを現在と捉える
あくまで「今ここ」がメイン。
腸
現代人の腸はバリアが(現在進行形で)どんどん破れている
腸内細菌
生まれてからずっと一緒で共同でずっと暮らしている
腸内細菌は、人の消化器官の中に住み着く様々な微生物
例
ヨーグルトのビフィズス菌や乳酸菌が有名
腸内細菌の働きぶりはすさまじいもの
★栄養の吸収、食物繊維を分解してエネルギーに変えたり、脂肪酸を生成して腸壁を守ったりする
★最も大事な働きが、「外敵との戦い」
外敵に勝つことで、ウイルス感染しなくなり、風邪、高熱、などかからなくなる
★腸内細菌を大切に育てることが大切
人間の腸は、栄養を体内に送り込むと同時に外敵が体内に入り込むのを防ぐという、非常に難しい役目を任されている
その中、腸内細菌は兵隊として働く
衛生的な生活が免疫システムを狂わせる
現代人は腸内細菌との共同生活を取りやめようとしている
原因2つ
衛生の発達
現代人は衛生の発達で平均寿命を大きく延ばしてきた
抗生物質のような医薬品を発明
クリーンな水道水や下水などの衛生設備のおかげ
★抗生物質が腸内の善玉菌を殺し、衛生設備が有用な菌との接触を妨げてしまう
腸内細菌の食糧難
★食べ物が豊富になったにもかかわらず、腸内細菌は、まともに食事ができていない
★★腸内細菌は、主に食物繊維を食べて繁殖する
★現代人は、年ごとに食物繊維の摂取量が減っている
★狩猟採集民は、十分に食物繊維を摂取することができていた
抗生物質を使うと腸内細菌の善玉菌が大量に死ぬ
抗生物質の乱用を避けることが大事
たった1回の抗生物質の使用で腸内細菌の3分の1が死ぬ
★ダメージは半年が過ぎても回復しなかった
たまに使うのなら大丈夫だが、抗生物質を「乱用」すると、腸内細菌にとって悪い
同じく使用を避けたいのは抗菌グッズ
薬用ソープに使われる抗菌成分が、肌に住み着く有益なバクテリアまで殺してしまう点
★手や体を洗うなら、昔ながらの石鹸で十分
石鹸素地だけを使った無添加のボディソープなどを使うのがおすすめ
水回り設備の重要さ
排水や水道管が何らかの損傷を受けると、その後24~48時間でカビ毒が発生し、放線菌やエンドトキシンを大気中にまき散らし始める
部屋の喚起は私たちの腸内環境を左右し、ひいては体内の炎症にもインパクトを与える
人間とバクテリアが共存できる住居こそが理想の空間
★発酵食品のすごい効果
ロンドン大学の研究
効果が高いのは「発酵食品」
納豆、キムチ、ヨーグルト、ぬか漬け、味噌
スーパーフード
★★発酵食品であれば腸内環境に良い影響を与える
注意
特定の食品ばかりを食べないこと
それぞれに特有の細菌を持っている
★腸内細菌の多様性を考え、できるだけ幅広いジャンルの発酵食品を取り入れる
★★★普段から発酵食品を食べるものほど心疾患や糖尿病にかかりにくく、早期死亡率も低いことが分かった
このサプリを使えば症状は改善する
プロバイオティクス
ビオフェルミン、ラクトーンA
様々な可能性がある
アレルギー症状の改善
食物繊維の驚くべき病気予防効果
食物繊維の効果
食物繊維の摂取量が多い人は、少ない人に比べて早期死亡率が23%も下がり、癌の発症率は17%ほど低下。炎症性の病気は、43%もリスクが下がっている
★下手なサプリや健康食品を飲む前に食物繊維を増やした方が、よほど病気の予防になる
増やすには
まず野菜とフルーツの摂取を増やすのが基本
例
ゴボウ、寒天、海藻(わかめ)、キノコ、オクラ、リンゴ
★★★腸内環境が好きな水溶性の食物繊維を豊富に含む優良食材
★★★我々の腸内細菌は、加工食品が大の苦手
高脂肪で食物繊維が少ない食品(ファストフード)
精製糖の多い食品(スナック菓子や清涼飲料水)の摂取量が増えるほど、腸内細菌が死にやすくなる
絶対に食べないよりかは、摂取量を控えめにすることが大事
要はバランスだよね
実践ガイド
腸内細菌と仲良くする
抗生物質をむやみに使わない
ただの風などに抗生物質を使うのは厳禁
医師から処方されたら、どんな感染が疑われるかを確認する
抗菌グッズや殺菌グッズの排除
抗菌スプレー、抗菌ソープなどのように、良い筋まで殺してしまうような商品は取り除く(キッチンエリアは除く)
トリクロサン、トリクロカルバンは注意
空気をきれいに保つ
部屋の喚起に気を配ったうえでHEPAフィルタを使った空気清浄機を購入する
必要以上に空気が乾燥しないように、加湿機能がついたものを選ぶ
腸内細菌をもてなす
発酵食品
納豆、ヨーグルト、キムチなどを1日40~50gずつ食べ、3週間でお腹の調子が良くなったかを確認する
プロバイオティクス
適当なプロバイオティクスを購入する
食物繊維
イヌリンやレジスタントスターチなどから好きなものを選び、1日15gの摂取からスタート
徐々に増やし、最大30gまで増やす
ベリーとココアはお勧め
ブルーベリーは1日100gから
ココアは大さじ3~4杯
環境
人は環境に影響を受ける
Googleのニューヨークオフィスの研究
スナック置き場に近いドリンクバーの実験
スナック場所から近い方が、遠い方に比べて、お菓子を食べる量が69%も高かった
ほんの数メートルの差が無意識の食べすぎをもたらし、長期的には大きな肥満につながるかもしれない
なぜこの実験をするのか
彼らが「環境」の力を信じているから
人類は「環境」に弱い生き物だ
ドリンクバーが近いだけでお菓子を食べすぎる
入口に野菜があるだけで健康的な食事の量が増える
食器のサイズを変えるだけで食欲が減る
→これらの現象はすべて「環境」が我々に及ぼす影響力の大きさを物語っている
自然を失い、友人を失った人類の末路
現代の環境と遺伝のミスマッチは、色々なものがある
過剰な人口密度や、大気汚染、微生物とのふれあいや、濃密な対人関係の減少、近代的なビルやスマホなどの電子機器
現代人の不調につながる重要なポイントではある
現代人への影響が大きい2つの環境
自然
農耕が始まり、土地の侵略が数百年にわたって続き、農耕地からは土壌が失われ、緑地帯も減少。現在は広大な砂漠地帯と化している
産業革命がはじまり、巨大工場や鉄道が整備され、都市の風景も激変。全人口の7割が都市で暮らし始める
★人類は、数百万年の歴史で初めて自然の景観から切り離されてた存在になった。
友人
狩猟採集民の暮らしは濃密そのもの
共同体の中には、全員が知り合いか友人といった状態
現代人は孤独を今も拗らせ続けており、特にここ10数年は日本での問題が激増している
疲れた時の行動
数ある環境のミスマッチの中から、「自然」と「友人」の2つを選んだ理由は、多くのデータにより、その影響が突出して大きいことがわかっているから
自然とのふれあいはどれだけ良いのか
自然との触れ合いにより確実に人体の副交感神経は活性化する
★副交感神経は気持ちが穏やかな時に働きだす自律神経
日中にたまった疲れやダメージを回復させる働きがある
自然は人体の疲労を回復する働きを持つ
最高のパフォーマンスを発揮するには、3つのシステムがバランスよく機能していなければならない
興奮
喜びや快楽。
満足
安らぎや親切心
脅威
不安や警戒
快楽ばかりを追う人生は退廃に至り、安らぎだけの毎日に前進はなく、不安ばかりの暮らしは日々をよどませる
それぞれがしっかりとかみ合ってこそ、人間はうまく機能している
自然の環境は、3つのシステムをバランスよく刺激する
ところが、都市の暮らしでは、主に興奮と驚異のシステムだけが活性化しやすい
孤独だった人に友人ができると寿命が延びる
人間の幸福にとって最も大事なことは?
それは富でも名声でもがむしゃらに働くことでもない
我々の体を健康にし、心を幸福にしてくれるのは「良い人間関係」
★身近な人たちとの関係が悪ければ「満足」の機能は活性化されず、手に入れたものはすべて無に帰すはず
良い人間関係は我々の脳も守ってくれる
周囲との良い関係を80代までkeepできた人や、何か困ったときに助けを求められる相手がいる人は、はっきりした記憶を長く持ち続けられる
孤独からくる炎症で体調が崩れ、更には脳の機能まで衰えてしまうのだから、仕事のパフォーマンスが下がっていくのは当たり前の話。
幸福、富み、名声、健康は、全て「人間関係」の土台があってこそ
結論
遺伝と環境のミスマッチが起きた現代においては、「自然」と「友人」への投資こそが、最も費用対効果が高い行為
身近なパワースポットとは?
公園を積極的に活用しましょう
公園で軽く運動したり、のんびり読書にいそしむ、1日のリラックスタイムの数分を公園で過ごすなどなど
自然生活の効果
どこまで日々の暮らしに自然を取り込むかはあなた次第
キャンプ、釣り、摂れいるランニング、山登り、トレッキングなど
自然と触れ合うアクティビティを増やすほど、あなたの体内の炎症は静まっていく
自分のライフスタイルを崩さない範囲で、自然との接触レベルを最大化することが大切
人間の脳は人間関係を作ることが苦手
人類の歴史
数百万円前から小さな集団の中だけで生きてきました
この状況の中で必要なのは、内側に向けた対人スキル
それ以外のコミュニケーションは基本的に不要
人工の流動性が高まった時代は、外部との交流は日常的なこと
これもまた、現代人を苦しめる遺伝のミスマッチの一つ
友人の数が多ければ多いほどいいのか?
答えはノー
自分のネットワークに新しい友人が加わると、昔のネットワークとはコンタクトしなくなっていく。親密な関係を維持するためには、多大な認知機能と感情の投資が必要になるのが大きな原因だ
人は5人前後としか親密な人間関係を築けない
SNSで1000人以上と友達になっても満足のシステムは活性化されない
自分との比較対象が増えた分だけ興奮と脅威のシステムが優位になるだけ
一人の親友さえいれば孤独がもたらすダメージはかなり下がる
自分にとって真の理解者をひとりだけ得られれば、それで十分
どうすれば親密な人間関係を築けるか?
時間、同期、互恵
時間をかけて脅威システムをオフにする
重要な要素の一つが「時間」
一緒に過ごす時間の長さ
簡単に言うと、人間は近くに住む相手ほど好意を抱きやすい
理由は、近くに住むほど接触時の時間が増えるから
シンプルに相手の顔を見る回数が増えただけでも2人の仲は自動的に深まっていく
影響が最大になる回数は10~20回ほど
淡々と接触を重ねてみましょう
同期行動をすることできずなが深まる
キーワードは「同期」です
ある研究
趣味で人間は幸せになれるか
合唱クラス、美術クラス、創作文芸クラスで習い事を分けた
合唱クラスに参加した人の改善値が高い
皆で歌うという好意が、他のグループよりも全体感を高めてくれた
心理学では同期行動
ラジオ体操や組体操などなど
全員が近い場所で行うこと、同じタイミングで同じ行動をすること
2つの条件が合えば、同期行動の内容はどんなものでもいい
実践ガイド
自然
デジタルの自然を増やす
観葉植物
公園の活用
太陽
アウトドア
友人
接触時間
200時間ほど他人とのコミュニケーションを重ねれば、対手の人とは深い中になれる
50時間ぐらいの接触時間だと、どんなに会話が上手くいっても友情は深まりにくい
同期行動
誰かと同じような行動をとれるコミュニティに参加する
信頼
親密になりたい相手と深い会話を行うように意識する
相手への相談という形で話を振っていくと、自然に親密さを深めることができる
ストレス
過剰なストレスが全身を壊す
ストレスは人を殺します
心臓は、メンタルに影響しやすい臓器です
精神にストレスがかかった状態だと、心臓のエンジンはふかしっぱなしになり、休む暇がない
心臓や血管に過度の負担がかかり、突然死に至る
例
締め切りの近い仕事を先延ばしにしていたとする
ネットで時間をつぶしている間にも頭の隅には仕事のプレッシャーがこびりつき、感情システムは徐々に脅威モードに切り替わる
仕事を先延ばしにしていると、パニックを起こした脳はコルチゾールを増やすように指示を出し続け、身体はストレスホルモンに慣れてしまう
事態は一気に悪化していく
ブレーキが完全に壊れたも同然
最初の小さなストレスがホルモンの連鎖を生み、最後には全身を壊していく
人体のストレス処理系
短期的に終わる急性のストレスには得意だが、現代の慢性的なストレスに立ち向かうようにはできていない
ストレスを感じた時に効く一言
リアプレイザル
緊張して、不安が募り、ストレスがたまる時に、「楽しくなってきたぞ!」「興奮してきたぞ」と自分に言い聞かせる
自分のストレス反応を「楽しくなってきた」とポジティブに解釈したグループは、それぞれ成績が17~22%も上がった
自分のストレスをいかに言葉や思考に変換するかで、どんな感情も再構築できる
寝不足が続くとダメージを修復できない
睡眠負債
毎日の寝不足が少しずつ溜まると、やがて債務超過に達して様々な疾患を引き起こす
睡眠負債が怖いのは、本人も気づかぬうちにじわじわと債務が増えていく点
眠りにつくと
脳は45~60分以内に完全休憩の状態に入る
骨と筋肉の成長や免疫システムの強化などの作業を行う
1~2時間が過ぎるとレム睡眠に切り替わり、今度は大脳が活動をスタート
日中の嫌な体験や記憶が呼び起こされ、全ての情報を処理していく
一晩寝れば前日の嫌なことを忘れやすいのは、睡眠が記憶を整理整頓してくれるから
★長期にわたって睡眠負債が続くと、脳と体が受けたダメージを修復する時間は無くなる
残った疲労やストレスは少しずつ体を破壊し、最終的に手の付けられない炎症に変わる
良質な睡眠のサイン
眠りに落ちるまでの時間が30分以内
夜中に起きるのは1回まで
夜中に目が覚めた場合は20分以内に再び眠ることができる
総睡眠時間の85%以上を寝床で使っている
優良ホルモン「メラトニン」が増える眠り方
睡眠の改善において一番重要なのは、「自然」
人類は古代から豊富な自然音と木々に包まれながら眠ってきたため、自然の中にいるだけで、我々の体は睡眠の質が上がるデザインになっている
自然環境によるメラトニンレベルの改善は、アウトドアで過ごす時間が長くなるほど効果も高くなる
★睡眠負債を返したければ、日中に太陽の光を浴びる時間をできるだけ増やしたうえで、夜には室内の照明を限界まで暗くする
睡眠を改善するアイテム
アイマスクと耳栓
アイマスクとみみせんを同時に使うと、睡眠中のストレスホルモンが下がり、逆にメラトニンの量が増えていく
40分の昼寝で完全回復
昼寝のテクニック
1回40分の昼寝でパフォーマンスが34%改善し、注意力は100%の完全回復を見せるなど、睡眠負債のダメージを防ぐ効果が広く確認されている
睡眠に問題がない狩猟採集民でも昼寝を行う
快適な椅子に座りつつ目を閉じて15分休んだだけでも睡眠時と似たような脳波が現れ、記憶テストの結果も向上したとの結果が出ている
コーヒーナップ
15~20分の昼寝の直前に1杯のコーヒーを飲むだけ
カフェインが脳に達するまでに20分かかるから
ウォーキングだけでストレスは激減する
どんな運動でも、ある程度の負荷があれば脳には良い影響がある事実
とりあえず体を動かしておけば、あなたの脳機能は確実にアップする
運動と脳のパフォーマンスが上がる最低ライン
1回のセッションで45~60分ぐらいの運動をするとストレスが改善し、認知機能も向上しやすくなる
週に2回の運動と、週に4回の運動を比較した際、両者に大きな効果の差はない
運動のレベルは、軽く息が上がる~ヘトヘトになるぐらいまでの範囲
ウォーキングは強力なパワーがある
椅子から立ち上がり、数分の散歩をするだけでも、あなたのストレスは激減する
スマホの使用時間が長い人ほど不安が大きい
デジタル環境のコントロールが大切
インターネットやスマホは我々の生産性を高めた一方で、弊害ももたらしている
ネットユーザーの5~10%は依存傾向にある
デジタルデバイスが現代人のメンタルに負荷をかけているのは間違いない
スマホ
スマホが現代人の集中力を削ぎ、SNSがコミュニケーションの質を下げた
自宅でスマホを使い続ける人は仕事のストレスが回復しない報告もある
実践ガイド
リアプレイザル
日常で緊張を感じたら
興奮してきた!と言い換える
誰かにイライラさせられたら
この人に悪いことがあったのかもしれないと考え直すように意識する
2~6週間ほど小さな「リアプレイザル」を積み重ねれば、確実に脳がストレスに強くなる
睡眠
夜は耳栓とアイマスクを導入する
メラトニン
アイマスクや遮光カーテンで睡眠が改善しなければ、メラトニンのサプリを使う
1日1㎎からスタートする、一週間ごとに0.5㎎ずつ増やす。最大5㎎摂取する
昼寝
寝たりない気分が続く際は、12~14時までの間に15~20分の昼寝を挟む
眠れなくても10分間目を閉じる時間を作るだけで、夜中の睡眠は確実に改善する
ウォーキング
週に2~3日のペースで12分以上の早歩きを行うのが最低ライン
デジタル断食
メール、ライン、Twitter、Instagramなどは、事前に使用時間を決めておく
細かい時間を指定するほど効果が高まる
価値
ぼんやりした不安を解消する一つの方法
原始人にとって生きる意味は単純
あなたの人生における価値観とは
「価値」と「目標」はどこが違うのか
幸福感が高まるのは「貢献した」とき
実践ガイド
価値評定スケール
リストをもとに、「12種類の人生のジャンル」に記入する
手間がかかる作業なので、最低でも2時間をかけて取り組む
パーソナルプロジェクト分析
5段目より上まで自分の価値観を追い込む
次に甲斐プロジェクト分析を使って、「自分の価値観に沿った行動」を決定
これに「イフゼンプランニング」の技法を組み合わせ、行動に落とし込む
ジョブクラフティング
サブトピック
死
死を想うことでよりよい生き方を選べる
無意識に死への不安を感じている
メイントピック
実践ガイド
畏敬
自然
アート
カリスマ
観察
タイガータスク
マインドフルネス
マインドフルイーティング
遊び
遊びが奪われたら
狩猟採集社会
狩りや移動生活のことを負担と考えていない
日々の仕事を遊びに近いイメージでとらえている
「遊び」を重視している
人間の遊び心は幸福度と高い相関がある
遊び心がある人ほど、幸福な人生を送っている傾向がある
遊び心とは、どんな状況でも、楽しさやユーモアを使って解釈できるかどうかを意味する
遊びの内容は何でもよく、自分が安心して取り組める趣味を見つけることが、狩猟採集民の日常感覚に近づく最初のステップ
現代人の問題を解決していくには、仕事・育児・勉強といった人生のあらゆる面を「遊び化」していく必要がある
当たり前の日常を、できる範囲で遊びの場に変えていく
娯楽があふれているのに楽しくない
現代の生活から遊び感覚が減った理由
現代は刺激と娯楽があふれているのに、なぜ楽しくない気持ちを抱えながら毎日を過ごす人が多いのか
ルールが整備されていない新しすぎるタスクを次々と要求されるから
狩猟採集族はやることが明確でタスクがはっきりしている
現代は複雑
ルールが整備されていない遊びほど、プレイヤーのやる気をそぐものはない
さらに楽しくない点は、フィードバックの即時性
自分の行動に即時のフィードバックがあることは少なく、たいていは一つのプロフェクトが形になるまで数か月を要し、社会で使えるスキルが身につくまでは数年かかり、それまでは達成感のない毎日が続く
満たされない欲望は、ネットニュースやSNS、即時のフィードバック性を持つ媒体に向かいやすくなる
これらの即時性フィードバックは、快楽システムを疲れさせるだけの刺激になる
刺激の質はファストフードやお菓子に近く、摂取しすぎれば、やがて反応の気楽だけを求めるフィードバックゾンビと化す
現代の遊び場は遊び場としては粗悪品だ
ルール化で、今ここに集中できる
時間管理アプリを使て、全ての従業員がどのように働いているかをトラッキングした
生産性が高い従業員ほど決まった感覚で仕事をしており、平均で52分ほど働いたら17分だけ休むというインターバルを守る傾向があった
ポモドーロテクニック
あらかじめ目標の時間を設定しておくことで作業に明確なルールを設定し、作業への没入感を高める効果がある
現在と未来の心理的距離を縮める方法
決めた作業に手がつかないケースはよくある
最も効果の高いもの
イフゼンプランニングという技法
やり方はシンプルで、自分が決めたプロジェクトについて「もしXが起きたら、Yをやる」といった形式で実行のタイミングをルール化しておくだけ
例
起きたらすぐに掃除機をかける
朝活が終わったら15分仮眠する
実践ガイド
ルール設定
下位プロジェクト分析
インターバル設定
3のルール
イフゼン・プランニング
フィードバック化
作業トラッキング
アカウンタビリティチャート
メタ認知
費用対効果の高い方法
まず何から始めるか
これを先にやるべきといった順番はない
手あたり次第に試してみたうえで、しっくりくるものを続けていくのがベスト
炎症
手軽でメリットがあるのが、自然との接触を増やすこと
人間関係と食物繊維
睡眠と運動の重要性
不安
第一にすべきは価値の設定
価値観が定まったr、PPAの会分析で細かいプロジェクトに分解
中長期的には、「畏敬」と「マインドフルネス」のメンテナンスを行う